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Channel: 旅写真日記 Part2
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祇園祭くじ改め②

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くじ改めの続きです
 
9番目にやってきたのは山鉾で最も重い「月鉾」 動く美術館と言われています
 
巡行時の重量11.88トン(人、懸装品含む) 山鉾装飾のみの重量9.05トン
 
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 稚児人形は「於兎麿(おとまろ)」と言い身長130cmで孔雀をあしらった豪華な金の天冠をかぶっています
 
三角形の屋根の下には左甚五郎の作と言われる兎の彫刻があります
 
天水引は「円山応挙」の孫「円山応震」下絵の「双鸞霊獣図」
 
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下水引は「皆川月華」作「花鳥図」 胴懸はコーカサス緞通 
 
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見送は「皆川月華」の「湖畔黎明図」
 
 
 
「月鉾」の巡行の様子を動画でどうぞ *注意*音が出ます 
 
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10番目にやってきたのは「芦刈山」 重量0.64トン
 
前懸は「山口華楊」原画の緞通「凝視」 堂々としたライオンの姿が描かれています
 
胴懸は「尾形光琳」原画の綴織「燕子花図」
 
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ご神体は山鉾最古のものでお頭には1537年の銘があり、作者は「運慶」の孫「康運」です
 
胴は1722年の銘があり、作者は「早瀬河宗兵衛」です 
 
妻と別れて難波の浦で芦を刈る老翁がやがて妻との再会を果たす謡曲芦刈を由来としたものです
 
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見送は「山口華楊」原画の綴織「鶴図」 
 
 
 
「芦刈山」のくじ改めの様子を動画でどうぞ *注意*音が出ます
 
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11番目にやってきたのは「蟷螂山」 重量1.22トン
 
車に轢かれそうになったカマキリが鎌を振り上げ立ち向かう姿に敬意をはらった中国の故事に由来しています
 
懸装品の前懸、胴懸、見送は人間国宝の京友禅作家「羽田登喜男」作です
 
カマキリの頭、鎌、羽の部分と御所車の車の部分が動く祇園祭の山鉾としては唯一からくりが施されています 
 
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友禅染の懸装品が山鉾に使われたのは蟷螂山が初めてだそうです
 
友禅染は色あせがしやすく長い時間保管することは不向きなため、
 
特別に強い日差しでも耐えられる染料が使われているそうです 
 
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見送は「瑞苑浮遊図」
 
 
 
動くカマキリの様子を動画でどうぞ *注意*音が出ます 
 
 
 
違う動き方の動画もどうぞ *注意*音が出ます
 
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12番目にやってきたのは「保昌山」 重量0.67トン
 
前後左右の懸物はすべて円山応挙が下絵を描いています
 
前懸「蘇武牧羊図」 右の胴懸「張騫虎図」 
 
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 ご神体は平井保昌が和泉式部の為に紫宸殿の紅梅を手折ってくる姿を表しています
 
平井保昌は源頼光とともに大江山の酒呑童子を退治した武将です
 
左の胴懸は「巨霊人白鳳図」 
 
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見送は福禄寿、弁財天に唐子を配した綴錦
 
 
 
「保昌山」の山回しを動画でどうぞ *注意*音が出ます 
 
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13番目にやってきたのは「鶏鉾」 
 
巡行時の重量 9.42トン(人、装飾品含む) 山鉾装飾のみの重量6.99トン 山鉾で6番目の重さ
 
 稚児人形は1863年「山口源ノ光好」作と言われていて名前は不明だそうです
 
幕末の人形らしく大人びた顔だちで歯を見せています
 
天水引は「下河辺玉鉉」下絵の「瑞雲、日輪と麒麟図」綴錦
 
下水引は「松村呉春」下絵の「唐宮廷楼閣人物図」金地綴錦
 
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右胴懸は「草花文様インド絨毯」
 
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見送は16世紀ごろのベルギー製のゴブラン織で日本に現存するものでは最も古いもののひとつだそうです
 
トロイ戦争でトロイの王子ヘクトルが妻子と別れを告げる場面だそうです 
 
 
 
「鶏鉾」の様子を動画でどうぞ *注意*音が出ます
 
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14番目にやってきたのは「伯牙山」 重量0.52トン
 
前懸として正面に垂らされた掛軸は「慶寿裂」というもので長寿のお祝いの際に贈られる縁起ものだそうです
 
上下にはおめでたい内容の漢詩文、中央には仙人や瑞雲舞鶴といった長寿を示す縁起のいいモチーフが織り出され
 
掛軸の下に龍文様の錦を用い、人物図の押絵切付の水引で飾られています 
 
胴懸は「花卉尾長鳥文様」の綴錦 角に立てられた真っ白な御幣が印象的です
 
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ご神体は「知音」の語源でもある、琴の巧者「伯牙」が琴の音を理解してくれる友人「鐘子期」の死を聞いて
 
琴の弦を断ち再び琴を弾くことはなかったという中国の故事に由来しています
 
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見送は京都西陣の「柳絲軒」製の「三仙二仙女刺繍」
 
 
 
「伯牙山」の様子を動画でどうぞ *注意*音が出ます
 
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15番目にやってきたのは「綾傘鉾」 重量0.36トン
 
綾傘鉾は古い形態を残す傘鉾のひとつで大きな二つの傘と棒振り囃子が特徴です
 
6人の公家風装束をまとった稚児も連れ添って行列をします
 
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ご神体は染物傘の上に飾られている木彫漆仕上げの鶏です
 
傘につける垂りは1992年に町在有志の寄贈による綴錦の「飛天の図」と 
 
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人間国宝「森口華弘」作の友禅染「四季の花」 
 
 
 
綾傘鉾のくじ改めと棒振り囃子の様子を動画でどうぞ *注意*音が出ます 
 
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16番目にやってきたのは「霰天神山」 重量0.65トン
 
永正年間(1504~1520)京都に大火のあった時、時ならぬ霰が降ってきて猛火がたちどころに消えたそうです
 
その時一寸二分(約3.6センチ)の天神像が降ってきたのでこれを祀ったのが山の起こりとされています
 
前懸はベルギー製のゴブラン織のタペストリーでギリシア神話の「イーリアス」の物語が描かれています
 
山の上には欄縁にそって朱塗り極彩色の廻廊をめぐらし、唐破風春日造の神殿を安置しています
 
真松の代わりに若松12本を塀内に並べ、社殿の屋根を大きくし山洞を廃し、鳥居内に榊一対と紅梅2本を立てています
 
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左胴懸は「上村松篁」原画の「白梅金鶏図」
 
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右胴懸は「上村敦之」原画の「紅白梅図」 見送は「紅地雲龍宝尽図」
 
 
 
「霰天神山」の様子を動画でどうぞ *注意*音が出ます 
 
 山鉾を呼び寄せるスタイルも各々違っていました(動画でご覧ください)
 
 
 
火曜日から久しぶりに海外へ行ってきます
 
「ガーデンシティ」と言われている国で、従弟一家との2度目の旅行です
 
留守の間、皆様のブログへのご訪問が出来ませんが帰ってきましたらお邪魔させていただきます
 
今回は短い旅行なのですぐに帰ってきますが・・・

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