ノルマン建築様式の代表的遺産の一つモンレアーレ大聖堂
ローマ教皇の息のかかったパレルモ大司教の権力を押さえるため、当時王家の狩猟場だったモンレアーレ(王の山)に
シチリア・ノルマン王国の3代目の王グリエルモ2世が建てた大聖堂です
外見はノルマン建築の特徴である城塞のような造りです
ファサードは上層がアラブ装飾の交差アーチで飾られ
下層部は18世紀に付け加えられた柱廊が両脇の塔を連結しています(左側の塔は未完成)
現在の教会への入口扉は柱廊左側にあります
伝説では狩猟に来ていたグリエルモ2世がいなご豆の木の下で昼寝をしていると
夢の中にマリア様が現れ「あなたのいる場所に財宝が埋まっている」と告げたそうです
眼を覚ました王がその場所を掘らせると確かに財宝が出てきたということで
マリア様に感謝を捧げるためにここにドゥーモを建設したのだそうです
写真はドゥーモを捧げるグリエルモ2世の像
反対側には聖母マリアの像もあります
教会の入口はブロンズの扉でバリサーノ・ダ・トラーニ作の4福音書の記者と聖人が彫られています
シチリアのアルダヴィッラ家(シチリア・ノルマン王家)の紋章
入って最初に眼に入るのは壁一面に覆われたモザイク装飾です
こちらの壁には「創世記」の「天地創造」(上段)や「ノアの箱舟」(下段)などが描かれています
「ノアの箱舟」が造られているところです 左で指示しているのがノア
洪水後のノア「神の契約の証の虹」の場面(左)と「ワインで酔って裸になったノアを着物で覆っている」場面(右)
天井はこんな感じです
西側の壁面
左側にあるハシゴがかけられているのは「バベルの塔」 上の部分は「アダムとイブ」
人物を描いたモザイクはギリシア人、壁面下部の幾何学装飾のモザイクはイスラム教徒の手によるものだと言われています
「カインとアベル」 や「イサクとヤコブ」
後陣の丸天井には巨大なキリストの上半身像が描かれています
キリストの持っている本が2m、キリストの像は12mだそうです
教会内部のガラスモザイクは総面積65000㎡で世界一モザイク装飾表面積が大きいそうです
2番目はヴェネツィアのサン・マルコ寺院だそうです
左から聖ヤコブ、聖ペトロ、大天使ミカエル、聖母子、天使ガブリエル
主祭壇(18世紀後半のもの)
キリストの生涯が描かれた部分
「最後の晩餐」
聖パウロ
聖母子像
左からマラキ、ヨナ、エゼキエル、モーゼ
キリストから冠を授けられるグリエルモ2世
パイプオルガンは2つあり1957年に設置されたそうです
王が使用した玉座
グリエルモ1世の棺(斑岩製のもの)グリエルモ2世の棺(白大理石のもの)