朝8時過ぎにサン・レオーネのホテルを出発して「神殿の谷」へ向かいました
「神殿の谷」はクレタ島とロードス島から植民したギリシャ人により紀元前581年に築かれた古代都市の遺跡です
古代詩人ピンダロスが「人の造りし最も美しい都市」と称えたといわれています
イタリアの国定史跡で1997年にはユネスコの世界文化遺産にも登録されている遺跡です
紀元前2世紀から紀元後4世紀頃までの遺跡が残るヘレニズム・ローマ地区を通り高台へ向かいました
5つの神殿からなる神殿群の東側から見学しました
最初の神殿は標高120mの丘の上にあります
神殿と同じ凝灰岩でできた階段を上ります
ジュノーネ(ヘラ)神殿です
紀元前460年頃に建造された周柱式ドーリア式神殿でギリシャ神話の最高神ゼウスの妻ヘラに捧げられました
普段は結婚の祝宴に使われていたのだそうです
紀元前406年のカルタゴとの戦いで全焼、中世の地震でほぼ壊滅したそうです
現在残っているのはドーリア式の列柱25本とアーキトレイブ(柱の上の横材)だけです
元々神殿は白い漆喰が塗られていたそうで基壇に白色が残っていました
神殿の規模は横17m×縦38m 高さ15m 柱の数は前面6本×側面13本です
神殿の前には羊を生贄に捧げた祭壇跡が残っています
神殿から見た地中海とサン・レオーネの街
神殿横にある梨の木の花が満開でした
ヘラ神殿から次の神殿へ向かう途中に見た神殿の谷
神殿へ続いている石の塊は紀元前6世紀に造られた城壁の跡です
神殿から見た現在のアグリジェントの街
上の写真の真ん中にある建物はリコッタチーズを作っている農家だそうです
棕櫚とギリシャの国花アカンサス コリント式の柱頭はアカンサスの葉を意匠化したものです
聖なる道を下っていきます
城壁にはビザンチン時代のキリスト教徒の墓が造られていました
独り用や家族用のお墓があったそうです
2月に満開になるアーモンドの花が少しだけ残っていました
城壁に沿って歩きます
城壁の間から地中海が見えました
柱で補強された大型のお墓もありました
世界で最も完璧な姿を残した神殿跡と言われている「コンコルディア神殿」
紀元前460年~440年に建造された周柱式ドーリア式神殿です
ローマ神話の「平和」「調和」「和解」の女神コンコルディアに捧げられたといわれています
近隣で発見されたラテン語の碑文に由来しているともいわれています
ビザンチン時代に教会になりアラブ時代にはモスクにノルマン時代には再び教会になったために崩壊を免れたそうです
かつては黒檀と瓦を用いた屋根がついていたそうです
柱と柱の間を塞いで壁にしていたため地震で崩壊することもなかったそうです
内室の壁に残ったアーチはキリスト教のバジリカ時代のものだそうです
神殿の規模は横17m×縦39m 高さ14mです 柱の数は前面6本×側面13本
かつては極彩色の漆喰で彩られていたそうです
神殿前にはポーランドの作家により寄贈されたイカロス像がありました